1U SLOTH CHAOS
Nonlinearcircuits (NLC) の1U SLOTH CHAOSは、Intellijel 1Uフォーマット、6HPの超低速のLFO/CVを出力するモジュールです。以下の2つのタイプからお選びいただけます。
・APATHY |
無関心 : 怠惰で適当な奴 | 約1〜3分 |
・INERTIA (パネル=白) |
慣性 : 時間の流れに身をまかせてホントに何もしない奴 | 約15〜20分 |
時間はCVが軌道を巡る速度です。例えばINERTIAは最大で約20分をかけて徐々に変化していく、超低速でカオティックなモジュレーション信号を提供します。これはLFOより複雑で興味深い軌道を描き、驚くほどゆっくりと移り変わります。特にアンビエントスタイルの音楽に最適です。速度とは2つのストレンジアトラクター(*)と呼ばれる地点の周辺を循環し、軌道を巡る時間を表します。
ランダムなソースはパターンがないため、しばらくすると面白くなくなり飽きてしまいますが、カオスはパターンを作りながらも同じことを繰り返すことはないので、どこに行こうとしているのかの見当はつきますが、常に変化し予測ができません。
それぞれ2つの出力があり、回路の異なるステージから引き出された異なる信号が得られます。 2つの OUT は基本的に反転や電圧違いではなく違う位相で動作します。
CV入力は、ほとんどの場合は出力に影響を与えていないように聞こえますが、実際には軌道を巡る周期性に変化を引き起こしています。入力されたCVの影響を取り込み、回路が作り出す循環軌道が予期せぬ方向へシフトされます。ある信号は影響を与えず、ある信号は異なるステージで周期性を引き起すような事が起きるため、CVを入力した際には戸惑うかもしれませんが、SLOTHの超低速LFOのカオス周期の軌道に変化を与えていくための要素の一つになると考えてください。
LEDは基本的に右側の出力に追従しています(緑=+、赤=−)。CVを入力するとLEDが入力CVに反応しますが、先にも説明した通り、1U SLOTHでは出力に入力CVがダイレクトに反応するのではなく、2つのストレンジアトラクター周辺を循環する軌道をしシフトさせる役割となります。左の出力は右の出力のとは位相がズレて進行します。
もちろんナマケモノ(SLOTH)は、何もしなくても(CV入力に何も接続しなくても)喜んで蛇行します。
(*)アトラクター(英語: attractor)とは、時間発展する軌道を引きつけたり、吸い寄せる性質を持った相空間上の領域を意味します。
<収束も発散もせず>奇妙な軌道を辿る「ストレンジアトラクター」(英語:strange attractor)は、カオスと呼ばれる非周期的な軌道を持つアトラクターに分類されます。例えば気象学者のローレンツ博士が発見したローレンツアトラクターは、カオスの軌道を位相空間にプロットするとループや螺旋が決して交わらない軌道となり、幾何学的な図形を描き出します。ストレンジアトラクターは点同士が小さな領域に集まったり、または引き離されたりするという共通の性質を持ちます。
★ 参考リンク
ストレンジアトラクターについて(wikipedia)
SLOTHは、一般的には2つのアトラクターの周りを循環していますが、時々それは
トレースを突然反転させたり、奇妙なヒッチを作る場合があります。2つのアトラクターを循環する場合でも、その循環の度にその軌道は異なり、CV入力を介した場合は、スパイラルが傾いたりシフトしたりと、さらに異なる軌道を辿ることになります。
以下のビデオはTriple Slothの動画です