Fractalist
FRACTALISTは、波形とリズムを生成するマシンです。「フラクタル補間(fractal interpolation)」として知られていた、長らく忘れ去られていた合成手法を現代によみがえらせました。
2種類のコア(TriangleまたはTrapezoid)のいずれかを選択すると、それが波形が成長(変化)していくための種(シード)として機能します。反復(Iteration)を重ねるごとに、波形を構成する各ラインが自己複製を繰り返し、波形はより複雑な形状へと成長していきます。さらに、Warpコントロールによって複製時の形状を変化させ、成長の方向性を自在にコントロールできます。
これにより、一般的なシンセシスに適した豊かなサウンドソースが得られますが、それはFRACTALISTの魅力のほんの一部にすぎません。FRACTALISTが真価を発揮するのは低周波数帯域です。通常であればLFOレンジとなり可聴域外となる周波数に設定しても、そのサウンドを聴くことができます。その理由は、反復回数を十分に増やすことで生成される波形が極めて複雑になり、内部に多数の繰り返しパターンを含むためです。つまり、実質的にはリズムジェネレーターとして機能し、各種コントロールを調整することで、次々と新しいリズムパターンを発見できるというわけです。
一方、高い周波数帯域では、波形が複雑になるほどエイリアシングが発生しやすくなります。これはエフェクトとして積極的に利用することもできますが、不要な場合は専用のアンチエイリアシングスイッチで抑制できます。
周波数セレクターを使うことで、音程を素早く切り替えることができます。3種類のモードが用意されており、オクターブ、半音、またはセント単位でピッチを移動できます。
さらに、出力信号はBoostコントロールによってサチュレーションを加えることができ、同時に出力レベルも増加します。
さらにBoostコントロールにより、出力信号へサチュレーションを加えると同時に出力レベルも増加させることができます。
また、独立したサイン波LFO出力も搭載しています。セルフパッチ用のモジュレーションソースとしてはもちろん、他のモジュールをコントロールする用途にも使用できます。
Fractalist_Manual_v1_0.pdf
ハードウェア/ファームウェア設計:Andrii Sokolovskyi
ビジュアルデザイン:Julia Shvyriova
技術仕様
幅:12HP
奥行き:42mm(電源ケーブル接続時)
消費電流:
+12V:125mA
-12V:10mA
パネルコントロール/入出力
FRACT
メインオーディオ出力
出力レンジ:±5V
Boostを最大まで上げた場合:最大±10V
FREQ
波形の基本周波数を設定します。
以下の3つのモードを切り替えられます。
・オクターブモード(LED全点灯)
・半音モード(LED半点灯)
・セントモード(LED消灯)
セレクターを押すとモードが切り替わります。
CV入力は1V/Octに対応しています。
ここで設定した周波数を基準として最終的な発振周波数が決定されます。
NOTE:
設定した周波数は電源を切っても保持されます。
CV入力レンジ:±5V
CORE
基本となるコア(シード)を選択します。
TriangleまたはTrapezoidを選択できます。
専用ゲート入力を備えています。
CV入力レンジ:0~10V
ITER
波形が自己複製を繰り返す回数を設定します。
1を選択すると自己複製は行われず、選択したコア波形がそのまま出力されます。
専用CV入力とアッテヌバータを搭載しています。
CV入力レンジ:±5V
WARP
ITERが1のときは、コア波形に対するウェーブシェーパーとして動作します。
反復回数を増やすと、自己複製された各セグメントの形状を変化させ、最終的な波形を変化させます。
専用CV入力とアッテヌバータを搭載しています。
CV入力レンジ:±5V
BOOST
出力波形へサチュレーションを加えます。
同時に出力レベルを最大±10Vまで増加させます。
専用CV入力を搭載しています。
CV入力レンジ:±5V
ALIAS
有効時(LED点灯)は、エイリアシングを抑制せず、高い周波数帯域でそのまま出力します。
無効時は、周波数に応じたフィルタリングが行われ、クリーンな音色になります。
専用ゲート入力を搭載しています。
CV入力レンジ:0~10V
FM
外部オーディオ信号を入力すると、その信号によって発振周波数が変調されます。
ノブにより変調量を調整できます。ノブを反時計回りいっぱいまで回すと変調はかかりません。
オーディオ入力レンジ:±5V
SYNC
ハードシンク入力です。
オシレーターなどの外部オーディオ信号を入力すると、出力波形の周波数が入力信号へ同期します。
その状態で周波数や各パラメーターを変化させることで、倍音構成を変化させられます。
低周波数帯域でリズムジェネレーターとして使用する場合は、オーディオ信号の代わりにトリガーを入力することで波形をリセットできます。これにより、より複雑なリズムパターンを作り出すことができます。
オーディオ入力レンジ:±5V
LFO
独立した低周波オシレーター出力です。
セルフパッチ用のモジュレーションソースとして設計されていますが、他のモジュールのコントロールにも使用できます。
対応するノブでLFOの周波数を調整します。
最小位置では1周期約16秒、最大位置では毎秒2周期まで設定できます。
CV出力レンジ:±5V
ご注意:本製品の付属品は電源用のリボンケーブルのみです(マウント用のネジは付属していません)