?kind
カセット・ウォークマンを「演奏する」ためにオランダの奇才Gijs Gieskesが開発したZachtmanやZachtekindは「ウォークマン・メロトロン」としてHAINBACHをはじめとする機材マニア達に絶賛されている名機です。
Gijs Gieskesは、Zachtekindの新バージョンである「?kind」を作り上げました。?kindはピッチ(テープの回転速度)をプリセットできる3つのキーボードキーを持ち、ノブで設定したテープスピードをキーで切り替えて「演奏することができます」。ランダムなカセットテープ が使用できますが、一定のキーの持続音を録音したループテープなどを用意することで、メロトロンのように演奏することもできるでしょう!様々な音源のカセットテープを用意して、様々なエクスペリメンタルなテーププレイ、ノスタルジックなローファイな揺れ、ぐるぐると巻き込まれるようなピッチベンドなど、磁気テープのオーガニックなサウンドを堪能できます。
::ABOUT
ウォークマン本体のバッテリー(単三電池2本)、またはマイクロUSB(DC5V)電源で動作する「拡張回路付きウォークマン」。本体横にある3つのポテンショメーターに連動するキーで再生スピードをコントロールできます。テープの超低速再生や、ノブで自由に設定されたテープ速度の切り替えが可能で、直感的で遊び心のあるシンプルな装置です。
使用されているウォークマンはローファイ音質でモノラルですが、それはあなたがピッチを揺らしどこか違う異質な世界に入り込もうとするのなら十分なものだと思います。もしあなたがハイファイオーディオのようなファンタスティックな高音質カセットテープ の再生を望むならもちろんあなたは本機を買うべきではありません!
本機では録音と再生が可能です。AM/FMラジオもあります。
::使い方
- USBまたは単三電池から電源を接続
- 録音済のカセットテープ(別売)をセット
- ミニトグルスイッチはウォークマンのスピーカーがついている側に倒すと(ウォークマンのPLAYが押されている時)常にテープ走行(再生)します。テープ走行は一番トグルスイッチに近いノブでピッチ調整可能で、外部CVを入力するとピッチが加算されます。
- ミニトグルスイッチが(3)とは反対に倒れている時は、モメンタリースイッチである白いキーを押している時だけ、そのキーごとにノブで設定されたスピードでテープを走行(再生)します。白キーを押している間テープが走行するので好みの速度にノブで調整してください。キーごとに3種類のスピードをプリセットできます。白いノブを押している間に外部CVを入力するとピッチベンドします。
- 巻き戻しや早送りの機能もこの(3)と(4)のトグルスイッチに影響を受けます。つまりスイッチを上側にしないと(白いキーを押していない限り)早送り巻き戻しのスイッチを押しても動作しませんので注意してください。
- トグルスイッチの横の端子はCV入力です。-5V〜+10Vに対応しており、外部機器のCV信号から本機のピッチをコントロールできます。低い電圧でテープ速度が高速(高いピッチで再生)、高い電圧で低速(低いピッチ、低すぎれば再生されません)になります。外部CVで動作させる場合はトグルスイッチを下側にすることをお勧めします。トグルスイッチ上側(自動走行)でもCVに反応しますがノブのオフセットとなるため、ピッチノブが最大位置だと反応できません。
:電源
入力はマイクロUSBの DC 5V電源です。一般的なUSB電源と適合するケーブルをご使用ください(付属しません)。また本体に単三電池 x 2本をセットしても使用できます。 電池から電源を供給した場合、スピードコントロールポットの範囲が異なります。
::注意
・本機は完成品です。キット販売ではありません。すぐプレイできます!
・本機はローファイなウォークマンをサーキットベントした実験的な製品です。通常のカセットテープの音楽再生には不向きですので予めご理解の上お買い求めください。サーキットベンディング製品にご理解のある方がお買い求めください。
・出力はウォークマンのミニステレオ端子を使用します。ミニステレオ端子なので通常のモノラルのパッチケーブルでは音が出力されませんので、必ずTRSミニ(ステレオ)のプラグを持つケーブルを接続してください。
・本機を使用して録音する場合は本体に内蔵のマイクロホンを使用します。ライン録音のための入力はありません。本体のマイクはかなりローファイなので、それなりの音質のカセットテープを用意されたい場合は、録音済みのカセットテープをオークションなどで購入したり、他の品質の高いカセットテープデッキで録音したものを使用してください。
・テープを巻き込んでしまうことはどんなカセットデッキにも起きうることですが、本機はテープスピードを激しくベンドするため、それが稀に起きる場合もあります。対処法としてはキャプスタンシャフトを清潔に保つことです。アルコールなどでローラーをきれいに保つと良いでしょう。
・VAS ON/OFFとあるスイッチはOFFにしておきましょう。このスイッチはV.A.S. 音声起動システムの略のようで、このボタンを押すと特定のデシベルレベルを超える信号がマイクに感知されるとテープが走行し、特定の デジベルレベルを下回ると走行が自動停止するようです。スレッショルドレベルの設定がないので使えない機能だと思いますし、このボタンがONだとラジオの録音ができなかったり、不具合の勘違いに繋がったりと何かと鬱陶しいのでOFFにしておいてください。
・ラジオを使いたい場合はヘッドホン端子にヘッドホンを接続するとアンテナの代わりになるようです。
・カセットテープ、電池、USBケーブルは付属していません。