VoiceRec 1c 2023
子供用玩具のボイスレコーダートイ(Talking Fun KT-1101)をサンプルの録音と再生に利用したモジュールです。
オモチャなので詳しい仕様書はありませんが、サンプリングタイムは大体6秒程度で、ピッチノブとCV入力で調整できます。
このボイスレコーダーICには自動ゲイン調整はないので、録音した信号の音量が小さいと、出力信号も小さくなります。
再生がトリガーされるたびにボイスレコーダーICが起動し、再生が終わるとスリープモード的にシャットダウンします(玩具バージョンではバッテリー電力を節約するためこのような仕様になっている。このユーロラックバージョンは当然ですがバッテリー駆動ではありません!)。
低いピッチでサンプルを録音すれるほど特有のクリックは少なくなり、起動時間はほとんど一瞬なのでトリガーするとすぐに再生が始まります。
サンプルの再生は、常にトリガー信号の立ち上がりのサンプルの先頭から始まります。
再生にはスレッションルドがあり、ボイスレコーダーに送るトリガー信号の周波数が高すぎると無視されます。このスレッショルドはピッチ設定に依存し、ピッチ設定が高ければトリガー周波数も高くなります。
ピッチは、ボイスレコーダーICの全体的な動作速度を制御します。
録音開始時にはビープ音が鳴ります。
スイッチ:
- 入力トリガー/ゲートを無効にします。
接続:
- CVピッチ
- 再生用トリガー、再生はサンプルの先頭から始まり、立ち上がりエッジでリトリガー
- オーディオ出力は+/- 10v peak to peakで、モジュール裏側のトリマー・ポットで調整可能
ポテンショメーター
- ピッチ減衰。
- ローパスフィルター
消費電力
- 12V(+/-12mA)
- 12V(+/-5mA)
VoiceRecヒストリー
Gijsがエレクトロニック・ミュージックを作り始めた頃、最初に欲しかったもののひとつがサンプラーで、彼は2002年にあるモジュールを使ってそれを自作した。実はこの玩具のKT-1101にはそれと全く同じモジュールが搭載されていて、Gijsが最初にこの素敵なオモチャを発見した2002年から、KT-1101はずっと同じモデルを販売し続けているらしい。さらにその性能は回路改良により、どんどん良くなっているという超珍しいパターンのようです!
旧モデルでは、ボタンを押すとサンプルが始まり、もう一度ボタンを押すと止まっていたのが、再生ボタンを押すとサンプルが始まり、もう一度ボタンを押すとサンプルの最初から再生されるように変更されていたり(これは音楽にはとても良い!)、
PCBにコメントとともにワイヤーをハンダ付けするためのパッドまで追加されたとのこと。これはハックやサーキットベンディング推奨みたいなことなのかもしれない。