ATTACK
アタック・ノブ は、コンプレッサーが出力音量を下げ始めるまでの時間を設定します。言い換えれば、この設定は、最初のトランジェントをどの程度残し、どの程度の速さでコンプレッションを開始するかをコントロールします。
長く設定すると、全体のダイナミクスが平均化され、より滑らかなエンベロープと、より繊細なコンプレッションが得られます。アタックはローパスフィルターにも似た働きをするので、コンプレッサーの高音域の扱い方にも影響します。
アタックタイムが長いと、リリースも長くなります。
アタックタイムはCVでモジュレートでき、このための入力端子はATKと表示されています。有効な入力範囲は0-5vで、Attackノブはオフセットとして機能する。
RELEASE
Release ノブは、ゲインリダクション・エンベロープのリリースタイムを約 5ms から 3.5sec の間 で設定できます。Release は、入力信号が Threhold より下に戻った後、Compressor がゲインリダクションを停止するまでの時間を意味します。
Attack と同様に、Release の時間を長くすると、ダイナミクスを平均化する効果があります。
非常に短いリリースタイムは、コンプレッションが波形の一部を切り取るので、低周波数に歪みを生じさせることがあります。REL とラベルされた CV 入力はノブのオフセットとして機能します。ネガティブ CVによってリリースタイムを5ms以下にすることができます。
THRESHOLD
スレッショルドノブは、コンプレッションが効き始めるレベルを設定します。スレッショルド以下のすべての信号レベルは無視され、スレッショルド以上のすべての信号レベルはサイドチェインを生成します。
このサイドチェインは、アタックとリリースの設定によってさらに形成され、ゲインリダクションのエンベロープを生成します。このエンベロープは、Threshold ノブの下にあるオレンジ色の LED によって視覚化され、コンプレッションの状態を示すことができます。
Threshold を低く設定すると、より多くのゲインリダクションが実行されます。このモジュールはモジュラーレベル(-10~17dBv)を想定しているため、ラインレベルの信号では動作しないことに注意してください。
SIDE CHAIN FILTER
サイドチェインには、6dBの切り替え可能なローパス/ハイパスフィルターが搭載されています。サイドチェインを活用すれば、ある周波数ではコンプレッションがかかり、別の周波数では信号を変化させないような働きが可能になります。
例えば、フィルタースイッチをハイパス(HP)に切り替え、カットオフを約300Hzに設定すると、キックドラムなどの低域にコンプレッションが効きすぎてしまうような低周波をフィルタリングすることができます。
フィルタのカットオフは、CUTOFF CVインプットを使用してモジュレートできます。
RATIO
レシオノブを反時計回りに回しきると、コンプレッサーがオフになります。
Ratioノブをゆっくりと上げると、ノブに表示された比率にほぼ沿ってコンプレッションがかかり始めます。
レシオはOFFからレシオを上げていき、真ん中の位置(limit)リミッター動作となります。
ノブを12時位置よりもさらに回すと、リミッターを越えてネガティブなレシオに突入します。これは、スレッショルドを超える入力信号が、スレッショルド以下に出力音量を減少させることを意味します。Ratioノブを時計回りに回し、スレッショルドを低く設定すると、大きな信号は非常に小さくなります。これは、余分なメイクアップゲインと組み合わせて、ダイナミックな拡張を作成するためのクリエイティブな演奏に利用することができます。
実際のゲインリダクション量は、すべての設定の組み合わせによって決定されます。入力レベル、スレッショルド、アタック、リリース、フィルターの設定はすべて互いに影響し合います。ノブのラベルは、正確な設定というよりも、一般的な指標となるものです。
GAIN
メイクアップゲインノブは、コンプレッションが行われた後の信号に適用される最終ゲインです。全体のレベルを上げることで、入力信号と出力信号を一致させることができます。
GAIN と表示された CV 入力があり、出力レベルをモジュレートすることも可能です!この場合、MAKE UPノブはオフセットとして機能します。ゲインノブをOFFポジションにセットし、エンベロープをCVインプットに接続すれば、MessorをステレオVCAとして使用することができるということです!CVの公称値は0-5vです。CVを使用することで、さらにゲインを上げることも可能です。
Warm/Pure Switch
ゲインを上げ、アタックを長くした場合、トランジェントの最初の部分がクリッ プすることがあります。これは、最も大きな音量の部分が増幅されるためです。
このような場合、真空管サチュレーションのエミュレーターであるWarm モードが役に立ちます。この回路を有効にすると、信号のソフトクリップが大きくなります。 ヘッドルームのリミットが近づくと、低レベルの信号はそのままに、信号のソフトクリップを行いサウンドに自然な温かみが追加されます。
この回路はコンプレッションを追加し、よりサチュレートされたサウンドを提供します。
Pureモードではこの効果は無効になります。
*Warm モードの副作用として、出力音量が少し下がります。 これは、必要に応じてメイクアップゲインを追加することで補うことができます。
ENV OUT
ゲインリダクションによって生成されるエンベロープをENV出力から取り出せます。値を下げることが目的なので、ネガティブ極性のエンベロープになっています。必要に応じて反転させて使用してください。他のVCAなどに入力して同様のゲインリダクション効果を得ることができます。
オシロスコープがあれば、このエンベロープを視覚化することができ、非常に便利です。これにより、ゲインリダクションの形状を正確に設定することができます。
ENV出力は、RatioやBypassスイッチの設定に関係なく使用できます。
LEFT & RIGHT INPUTS
Left と Right のステレオ入力が利用できます。
接続されていない場合、Left 入力は Right 入力にノーマライズされま す。
入力インピーダンスは 30k です。
External Side-Chain Input
外部サイドチェイン入力のためのSC IN CV入力は、左右のチャンネルのモノラルミックスにノーマライズされています。この入力にパッチングすると接続が解除され、他の信号がサイドチェインに影響するようになります。
キックドラムを接続すると、サイドチェーンコンプレッションが効いたクラシックなサウンドが得られます。
Getting started
さまざまなサウンドとスイートスポットがあります。あなたの耳で色々と試してみてください。まず始めに、以下の設定をお勧めします。
Signal Flow